FROZEN SHOULDER
凍結肩(五十肩)
肩の強い痛みと動かしにくさを生じる凍結肩について、特徴、経過、他の肩疾患との違い、保存治療と治療選択肢をわかりやすく解説します。
凍結肩(五十肩)とは?
凍結肩は、肩関節を包んでいる関節包が硬く、小さくなることで、痛みと肩の動きの制限を生じる状態です。
広い意味では肩の痛みと可動域制限を伴う状態を「五十肩」と呼ぶことがありますが、特にはっきりした原因がなく、高度の可動域制限を認める場合が狭義の凍結肩で、特発性癒着性関節包炎とも呼ばれます。
すべての「肩が硬い」状態が凍結肩ではありません
高度で全方向性の肩の可動域制限は、凍結肩を考える重要な所見です。
一方、可動域制限が比較的軽い場合には、腱板断裂、石灰性腱板炎、変形性肩関節症など、別の肩疾患が背景にあることもあります。肩が痛くて動かしにくいという症状だけで凍結肩と決めつけず、診察や画像検査を組み合わせて原因を評価することが重要です。
凍結肩はどのような経過をたどる?
炎症期
夜間痛や安静時痛が強く、夜中に何度も目が覚めることがあります。痛みとともに肩の動きが徐々に制限されていきます。
拘縮期
夜間痛や安静時痛は次第に落ち着いてきますが、肩の動きの制限が目立つ時期です。
回復期
肩の動きが徐々に回復していきます。挙上や外旋などの動きから改善してくることがあります。
凍結肩は自然経過でも回復に向かう病気ですが、保存治療を行っても炎症期から回復期まで1年以上かかることが多く、糖尿病などがある方では治療期間が長引くことがあります。
まず行う治療
基本となるのは、症状や病期に応じた内服、注射、リハビリテーションなどの保存治療です。
痛みが強い時期と、痛みが落ち着いて可動域制限が主体となる時期では、治療の目的も異なります。診察で現在の状態を確認しながら治療を組み立てます。
治療期間を短縮するための選択肢
高度の可動域制限が続く場合などには、保存治療以外の選択肢として非観血的関節授動術(サイレントマニピュレーション)や、関節鏡下関節包解離術を検討することがあります。
どの治療が適しているかは、痛みの程度、可動域制限、病期、基礎疾患、これまでの治療経過などを踏まえて個別に判断します。
非観血的関節授動術とは?
麻酔によって痛みを抑えた状態で、硬くなった肩関節を動かして可動域の改善を図る治療です。
手術創を作らずに行える一方、骨折、再拘縮、皮下出血、術後疼痛などの合併症が起こる可能性があります。また、神経ブロックを用いる場合には麻酔に伴う合併症についても十分な説明が必要です。
関節鏡下関節包解離術とは?
関節鏡で肩関節内を確認しながら、肥厚して硬くなった関節包を切開・解離して可動域の改善を図る方法です。
保存治療で十分な改善が得られない場合などに、症状や肩の状態を評価したうえで治療選択肢の一つとして検討します。
よくある質問
五十肩は放っておけば治りますか?
時間とともに回復することが多い病気ですが、回復まで1年以上を要することもあります。また、腱板断裂など別の疾患でも似た症状が出るため、症状が続く場合は原因を確認することが大切です。
夜に痛くて眠れないのも凍結肩の症状ですか?
炎症期には夜間痛や安静時痛が強く、睡眠が妨げられることがあります。
肩が上がらないだけで凍結肩と診断できますか?
肩の可動域制限にはさまざまな原因があります。可動域の方向や程度を診察し、必要に応じて画像検査を行って他の疾患との鑑別を行います。
肩の痛み・動かしにくさでお困りの方へ
「五十肩だと思っていた」という方でも、別の肩疾患が見つかることがあります。症状と肩の状態を評価し、病期や生活への影響に合わせて治療方針を検討します。